精神保健福祉士のQ&A

平成21年11月21日(土)                                                                               精神保健福祉士の資格について、「どのような資格ですか?」とのお問い合わせいただくことがあります。

 どんな資格かなかなかわかりにくいところがあるかも知れません。 一つはっきり言えることは、大変やりがいのある仕事で、精神保健福祉の分野では重要な職種です。資格の詳しい内容については、以下に資格についての説明をさせていただいておりまのでご参照いただければと思います。

 

 

 

 

精 神 保 健 福 祉 士 の Q & A 

 

問1:精神保健福祉士とはどんな資格ですか?

答:精神科ソーシャルワーカーの国家資格の名称です。1998(平成10)年から国家資格化されました。

 資格の定義としては、精神保健福祉士法第二条

「 この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。」
と定義されています。

 基本的には、精神保健福祉の領域で相談援助を行うことになります。

 

問2: 精神保健福祉士はどのような場所で働いているのでしょうか?

仕事内容はどのようなものですか?

 

 

 

答:精神保健福祉士の仕事として主に、精神科病院、精神科クリニック、社会復帰施設、小規模作業所、NPO団体、保健所、県精神保健福祉センター、市町村福祉課職員等があります。

仕事内容はそれぞれの職場で違いますが、病院、通所授産施設、保健所の事例を用いながら、下記に紹介しました。参考にしてください。

 

実際の仕事内容を①~③までの機関、施設の具体例をもとに説明します。(登場される方は特定の方ではなく、飽くまで架空の人物です)

①精神科病院は、精神障がいを持つ方から、生活相談、入退院相談、制度利用相談、社会復帰相談等の相談を受け、医療的、福祉的に支援をしていきます。

 

事例A) 精神科病棟に勤務している精神保健福祉士Fさんは、入院されているAさんから「退院できる状態になり、退院後の準備をしていきたい。できれば働く訓練をしたい。」と相談を受けました。精神保健福祉士Aさんは、ご本人、主治医、病棟スタッフともじっくりと相談しながら、Aさんの自宅近くの通所授産施設(就労継続支援事業B型)を紹介することになりました。また、退院後の通院や生活上必要な制度(自立支援医療費)取得のための申請を支援しました。そうしたところ、Aさんは地域生活を再開できました。

 

②就労継続支援B型(旧法名称 通所授産施設 )施設〇〇は、精神障がいを持つ方から、就労相談、生活相談、入退所相談、各種制度利用相談等の相談をうけながら、精神障がいを持つ方の就労や地域生活を福祉的な就労訓練や支援していきます。

 

事例B) 退院してきたBさんは、就労継続支援B型の施設〇〇に通いはじめました。精神保健福祉士は、就労訓練、仲間づくりの支援をしたところ、Bさんは安定した通所ができるようになりました。しかし、自宅での生活では家事が滞って、食事がうまくとれていない状態でした。そのためBさんと生活状況をお聞きし、医療機関の精神保健福祉士とも相談しました。その結果、居宅介護(ホームヘルプ)を利用していくことになり、その申請の支援をしました。居宅介護(ホームヘルプ)を受けることでアパートでの生活も安定していきました。

注:通所授産施設は、自立支援法施行により、施設体系が変更になり、就労移行支援、就労継続支援A型(雇用型)、B型(非雇用型)、地域活動支援センター等にすでに移行した所と、移行中の所があります。

 

③保健所(都道府県の機関)では、精神障がいを持つ方からの相談・訪問。精神科病院の入退院の報告関係事務、精神保健福祉の啓発活動等を行います。*以前は、精神保健福祉手帳、ショートステイ申し込み等の申請窓口になっていました。

事例C) Cさん(25歳、男性)は、3年前に精神科クリニックにかかり統合失調症ということで通院し、薬を飲んで安定した生活を送っていました。しかし、1年前より通院をやめ、お薬も飲まなくなりました。そのため病状が悪化し、ご自宅にこもりがちになりました。Cさんのご家族が、保健所対応について相談に行き、精神保健福祉士と相談しました。そこで、精神保健福祉士は、ご本人にも一度お会いできるよう、何度も働きかけをしました。ただ、ご本人に強引にお会いするようにするのではなく、じっくり何度も働きかけをしました。当初は会うことを拒んでおられましたCさんも、次第に話をしてださるようになりました。話を進めていく中で精神保健福祉士は、精神的に困っていることを精神科に相談できるように勧めたところ、一度精神科病院に受診されることになりました。受診時、入院することでゆっくり療養できることがわかり、入院に同意され入院されることになる。

 

問3: 現在の精神障がいを持つ方の生活はどうなっているのですか?

答: 現在(平成196月のデータ)、日本では約302万人の方が精神疾患を抱えておられるといわれています。精神科の病院には33万人の方が入院され、そのうちの約7万2千~5千人の方が社会的入院(退院できる状態だが退院先、支援体制がなく退院できない状態)されていると言われています。そういった現状なので、医療、福祉の対応はまだまだ十分とは言えません。知的、身体障がいの分野から比べてもかなり遅れていると言えます。

また、地域間格差も大きく、精神保健福祉サービスが充実している地域とそうでない地域とあります

 

問4:精神保健福祉士の現状の活動状況はどうですか?

答:精神保健福祉士を採用する病院、施設、行政等は増えてきましたが、採用数はまだまだ多くない現状です。しかし、精神障がいを持つ方が地域生活を展開していくためには、精神保健福祉士は必要不可欠なのです。現に、精神保健福祉士を多く採用している自治体や病院では、社会的入院を余儀なくされていた精神しょうがいを持つ方が、地域生活ができるようになる体制が作られつつあります。精神保健福祉士が活動することで精神保健福祉の現状は変わっていくことになります。ちなみに、当校が集約している求人件数は、若干ですが増加しています。

 

     ①精神障がいを持つ方・・・・法律上は「精神障害者」といわれている方のことです。障害の部分が「差し障りがあり害がある」という否定的な印象があるため、現在、「障害」を「障がい」と表現することが多くなっています。また、「障害」を「障碍」の文字にすることもあります。これ以外にも、「こころの病を持つ方」とか、「メンバー」とか、「当事者」、あるいは、精神保健福祉サービスの利用者という概念の「ユーザー」、精神保健福祉サービスの消費者という概念での「コンシューマー」と呼称が用いられる場合もあります。

 

 

 

 

 

 

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