学校からのお知らせ

Vol.1 「人との出会いから学ぶ」

2006/12/01

 介護は、人と人との出会いから始まります。多くの高齢者、障害者の方との出会いから、様々なことを学びますが、一番大きな学びは懸命に生きておられる姿勢から、与えられた命の尊さを感じるときにあります。

 一週間誰も訪れることのない部屋で、ホームヘルパーを待ち焦がれている方との出会いで忘れられない思い出があります。「では来週までお元気で」と辞去を伝えたとき、手の指を7本出し、1本、2本と指折られることがありました。「指を7本折るとあなたと会えるね」と言って、にっこり微笑まれた姿から、誰かに必要とされる仕事のやりがいを感じました。私たちにとっての「日常」がその方にとっては「非日常」の、共に生きている喜びを分かち合える待ち焦がれるに相応しい瞬間であったわけです。この瞬間の繰り返しが感動の涙であり、Well-being(福祉)の実践となっていました。

 支援する立場である私たちが本当は支援されていることに気づかされたときの、人との出会いから、心と心が通い合う事実は、全身が震えるような感動を得ることができる瞬間です。「あなたに出会えてよかった」といわれるような、心豊な介護福祉士の育成を目指しています。