学校からのお知らせ

Vol.14 「有難うね」

2008/05/31

 介護施設での実習中、両手が不自由な方に「髪をといて」と言われました。櫛で整えた後、鏡を使って髪を見てもらうと、今日は家族が会いに来るからと笑顔で何度も鏡の中の自分を確認されていました。すると、今度は私に向かって何度も何度も「有難うね」と手を握られました。当たり前のことをしただけなのに、こんなにも喜んでいただけた。笑顔にすることができた。その日はとにかく嬉しくて、一日中温かい気持ちにつつまれていました。

 介護はこのように<お互いが喜び合える>という、数少ない仕事の一つです。介護を必要とするその人が「自分らしく」を実らせられるように支援するには、基本的技術や知識はもちろんですが、様々な体験や経験を通し<共にある>ことの大切さを仲間と共に学んでいくところから始まります。
そして自らが楽しく過ごすことを身につけましょう。